概要

「快適で安心な社会ストックの形成に貢献する」という理念のもと、持続可能な未来に向けた建築のあり方を追求するイズミコンサルティング。事業への想いや、描く未来とは――。
代表取締役 小池康仁に、インタビューしました。

#01

次世代へ残す価値。イズミの使命と想い

  • あらためて、会社の経営理念、社会的使命について教えてください

    経営理念「快適で安心な社会ストックの形成に貢献する」には、“良い建物”を次の世代へ受け継ぎたいという想いが込められています。子どもや孫の世代までを見据えた建物づくりを通じて、持続可能で豊かな社会の実現に貢献すること。それが私たちの使命です。

  • 社長がおっしゃる「良い建物」とは、どのような建物ですか?

    私たちが目指すのは、環境に配慮されていて、健康的に過ごせる空間であり、地球への負荷が少ない建物です。快適で安心して暮らせる建物は、人々の豊かな人生につながる場所。その実現には、さまざまな視点を取り入れた設計が重要です。

  • より良い建物づくりに貢献するための、3つの事業なのですね。

    はい。私たちは建築設計者のパートナーとして「環境」「防災」「BIM」の3本柱で事業を展開しています。これらは建築の中でも比較的新しい分野で、現在進行形で発展しています。

    建築の設計は、大まかに意匠・構造・設備の3つに分かれます。環境分野は意匠・設備の一部ともいえますが、私たちの仕事はそれだけにとどまりません。たとえば、断熱性能や空調・照明の省エネ性能、室内の快適性、周辺環境への影響、さらには材料の調達から廃棄に至るまで、広い観点で建物とその周辺を多角的に見つめ、提案を行います。近年では、ウェルビーイング認証や環境性能を評価する指標など、評価軸も増えていますしね。様々な実績で積み重ねた経験と専門性を活かして設計者を支えるのが私たちの仕事です。いずれは、設計に「環境設計」という分野を確立したいですね。

  • 第四の設計分野ですね!環境以外はいかがでしょうか?

    防災分野の避難安全検証は、最先端の技術として研究が深まってきています。シミュレーションにより、火災時の安全性を確保しながら設計の自由度を広げたりコスト削減を実現したりする考え方なのですが、まだまだ普及の余地があります。建物の用途によって異なる検討が必要なので、様々な物件のコンサルティング実績がある私たちが貢献できる部分は大きいです。

    BIMの分野では、BIM導入コンサルティングやソフトウェアの開発・提供を通じて、設計業務の効率化を支援しています。BIMは複雑な情報を活用できるのが強みですが、それだけでなく、業界全体の働き方改革にもつながると考えています。

  • あえてこの新しい3つの分野に注力する理由は、設計者からのニーズが高いからですか?

    そのとおりです。建築業界でも、カーボンニュートラルやDXの推進が進んでいます。こうした流れの中で、設計者が対応すべき分野はますます広がり、それぞれに深い専門知識が求められるようになっています。設計者自身ですべてを把握し、対応するのが難しくなっている今、私たちは良い建物をつくりあげる仲間・パートナーとして設計者に頼られる存在であり続けようと努力しています。

  • なかなかチャレンジングですね。

    ええ、ですが「他社がやらないこと」や「難しいけれど社会的に必要とされること」に挑み続ける姿勢は大切にしています。まだ世の中にない価値や可能性を見出し、形にしていくことで、建築業界に新しい選択肢を提供していきたいと考えています。

#02

イズミが描く次の50年。新たな価値をつくる成長戦略とは

  • 今後の成長に向けてのビジョンを教えてください。

    当社は2024年に創業50周年を迎え、今は次の50年に向けた変革の時期にあります。
    これまでは各事業がそれぞれの専門性を活かして成果を上げてきましたが、これからは事業同士の連携によって、新しい価値を生み出していくことが重要だと考えています。
    「環境×防災」や「BIM×防災」など、領域を掛け合わせることで、従来にはない提案やサービスを生み出せる可能性があります。こうした領域横断型の取り組みを、次の成長の柱にしていきたいです。

  • 直近で、なにか新しい取り組みはありますか?

    例えば環境分野では、「エンボディドカーボン(建築物のライフサイクル全体におけるCO₂排出量)」への取り組みを強化していきます。特に、国交省が推進する「LCA(ライフサイクルアセスメント)」の考え方に基づき、建物の建築から解体に至るまで、全体の環境負荷を定量的に評価・提案することで、設計段階からカーボンニュートラル達成に貢献する事業を展開します。

  • BIMの分野ではいかがですか?

    海外ではBIM普及が進んでおり、建物の設計・施工・維持管理を支える情報基盤として、広く活用されています。日本国内でもBIMの価値を伝える取り組みをさらに加速させるつもりです。
    ちなみに当社は、Autodesk社より「サービスプロバイダー」および「AECインダストリーパートナー」に認定されており、BIM導入支援やトレーニング、ファミリ作成、カスタマイズなど設計者の業務を技術面から幅広くサポートしています。また、日本市場に合うRevitのアドオン開発にも取り組んでいます。
    また、BIMに蓄積されるデータを活用して複雑なシミュレーションや計算を自動化するための基盤づくりを進めており、B-LOOPというクラウドサービスで展開しています。併せて、BIMを中核とした設計環境の構築を目指し、連携可能な複数のソフトの開発にも力を入れています。

    こうした技術的な取り組みに加え、環境・防災・BIMいずれの分野でも産学連携による研究や業界のガイドラインづくりにも積極的に関与して、業界全体の発展にも貢献していきたいです。

#03

仲間と前向きに働ける場所を目指して

  • 事業では新しい分野に挑戦する姿勢が垣間見えましたが、社員の方はどういった雰囲気なのでしょうか?

    専門性の高い仕事である分プロ意識が強く、真面目で努力家な社員が多い印象です。
    建築学科出身の社員が多いこともあり、似た価値観や空気感の仲間が集まっているのかもしれませんね。取引先の設計者の皆様も優秀な方が多い為、目線を合わせて対応できるよう日々社員の皆が努力しています。
    BIM分野の社員は、建築系だけではなくSEやプログラマー、営業など様々なバックグラウンドを持ちますが、皆がBIMという一つのキーワードに向かって動いています。BIMは特に新しい分野なので、チャレンジ精神のある方が多いように思います。

    どの分野でも、ありがたいことにお客様から「信頼できる会社ですね」「みなさん誠実ですね」といったお言葉をいただくことが多く、それが何より嬉しいです。社員の皆さんが、一つひとつの仕事に真摯に向き合ってきたことが、今の企業文化につながっているのだと思います。

  • それは嬉しいことですね。組織としては、なにか目指す方向性はあるでしょうか?

    私が目指しているのは、「自走できる組織」です。自分の役割をしっかり果たしながら、周囲の人を気遣い、先のことを見据えて動くことができる。そんな組織が理想です。基本的なことの積み重ねが、強い組織をつくるのだと思います。最近は新しいメンバーも増えていますので、新しい視点や動きが、組織に新たな風を吹き込んでくれることを期待しています!

  • ここ数年で社員数も増え、イベントもさらに賑やかになっている印象です。

    そうですね。共同でプロジェクトに取り組むことや相談し合う場面は多いので、日頃のコミュニケーションは大切です。会社としても、サークル活動や社員旅行、新年会などを通じて交流の場をつくっています。社員にとって、会社は仕事をする場所であると同時に、安心できて楽しい場所でもあってほしいです。魅力ある職場だと感じてもらえる環境づくりをしています。

  • 社長ご自身も、社員の方々とよく交流されているように感じます。

    仕事の話も趣味の話も気軽に話せる関係ってやっぱり楽しいですよね。一緒に頑張る仲間がいるのはとても心強いことです。私はシミュレーションゴルフサークルに参加していますが、仕事以外でも社員と交流できる良い時間だなと感じています。

  • 働く社員への想いを聞かせてください!

    会社で過ごす時間は、人生の中でも大きな割合を占めます。だからこそ、仲間とともにやりがいを持って前向きに働くことが、人生そのものを豊かにすると信じています。生活の質を高める意味でも、仕事を通じて日々ポジティブな気持ちで過ごしてくれたら嬉しいです。やりがいのある仕事に打ち込めて、信頼し合える仲間がいる。そんな職場であり続けることを、心から願っています。

#04

イズミでのキャリアを考える皆さんへ

  • 改めて、当社で働く魅力とは?

    新しい取り組みについてご説明した通り、他社ではなかなか経験できない専門性の高い領域に携われることです。最近では、設計の初期段階から環境性能や防災に関する検討が求められるようになり、早い段階でご相談いただく機会が増えています。お客様と共に仕様を決めていく過程で、パートナーとして意見を伝えられるのは、この仕事の醍醐味です。特に環境分野では、年々求められる水準が高まっており、業界をリードするスペシャリストを目指せるフィールドだと感じています。
    また、当社のシステム開発では、建築分野に特化した開発者として、腰を据えて取り組める環境があります。
    設計現場の課題に寄り添ったソリューションで、建築業界に新しい価値を提供することができます。

  • どんな方に、イズミで働いてほしいと考えていますか?

    当社の事業に対して「面白そうだな」「挑戦してみたいな」と感じてくれる方に、ぜひ来ていただきたいですね。私自身、面白さや挑戦心を持てる仕事のほうが楽しいと思いますし、そういう気持ちを大切にしています。

  • 最後に、求職者の方々へメッセージをお願いします!

    イズミには、他ではなかなかできないような仕事に挑戦するチャンスがあります。そして、新しい建築のあり方を提案する立場にあると自負しています。

    これまで入社してきた方で、イズミと全く同じ仕事を経験してから来た方はいません。皆さん同じスタートですので「やったことがないから不安」と躊躇せず、ぜひ飛び込んできてほしいです。チャレンジしてみたい方には、きっと活躍の場があるはずです。皆さんにお会いできることを楽しみにしています。

プロフィール

profile

代表取締役社長

小池 康仁

1976年、群馬県前橋市生まれ。
父が創業したイズミシステム設計(現イズミコンサルティング)と、母方の実家が福島県で地場ゼネコンを営んでいたことに影響を受け、建築の道へ。
大学卒業後は株式会社久米設計に入社し、設備設計部で再開発や事務所、学校など20件以上のプロジェクトを担当。その後、イズミシステム設計に転じ、34歳で代表取締役に就任。環境認証、ZEB、BIM開発、防災コンサルなど事業領域を広げながら、拠点も全国に展開し、現在に至る。

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