プロジェクト概要

虎ノ門ヒルズ ステーションタワーは、日比谷線「虎ノ門ヒルズ」駅と街との一体的な開発として誕生した多用途複合の高さ約266mの超高層タワーです。東京から世界へ向けて新しい価値や情報を配信する拠点として建設されました。商業、文化の中心地として街を挙げた環境への取り組みも行われています。環境負荷の低減に努めており、数々の国際環境認証のほか、「CASBEE-建物(新築)」Sランク取得やBELS☆4を獲得しています。

設計:森ビル株式会社一級建築士事務所、株式会社久米設計 他
施工:鹿島建設株式会社、三建設備工業株式会社、株式会社きんでん 他
認証ランク:
CASBEE認証 Sランク/BEE値:3.9
BELS☆ ☆ ☆ ☆ ☆(事務所)
BELS☆ ☆ ☆ ☆ (建物全体)
(※イズミコンサルティング会社HP 業務実績より)

#01

――このプロジェクトにおけるイズミの役割を教えてください。

Hさん

虎ノ門ヒルズ駅エリア再開発に伴うタワー等の建築設計においては、初期段階から環境コンサルタントとして参画し、建物全体の環境性能を最適化する役割を担いました。
設計会社の久米設計様とは以前からお付き合いがあり、新しい省エネ基準が導入されるタイミングでご相談をいただきました。

Sさん

このプロジェクトは、国際拠点として都市再生の加速を目的に規制緩和や自由度の高い計画を可能とする制度を利用しており、一般的な建築物に比べて30%以上環境への影響を低減すること、CASBEE建築Sランクの取得といった非常に高い目標が設定されていました。
わたしたちは、建物の省エネ化、室内の生活環境、緑化や風通しといった外部環境や、建材のグレードといった環境に対する知見を活かしながら、設計コンセプト、ファサードデザインや建物の機能を損なわず目標達成が可能となるように改善提案を進めました。

Nさん

結果として前述の目標を全て達成し、環境価値の向上に貢献できました。
10年かけて完成したこのプロジェクトは、持続可能な超高層建築の先進事例として国内外から高く評価され、当社にとっても大規模かつ高難度な案件への関与を広げる大きな転機となりました。

#02

――社内ではどんな連携が行われたのですか?

Sさん

このプロジェクトは、イズミの数ある案件のなかでも大規模かつ長期にわたる挑戦でした。通常は1〜2名体制で進めることが多い中、今回は約10年間にわたり、延べ15名ほどのメンバーが関与する案件となりました。東京や高崎など複数の拠点からメンバーが参加していたため、社内外の定例ミーティングを通じて、常に情報共有を図りながらプロジェクトを推進しました。拠点を越えた連携と継続的なコミュニケーションが、長期プロジェクトの成功に大きく寄与しました。

Nさん

限られた人員の中で性能とコストのバランスをとることが大変でした。
私たちのチームでは、シミュレーション結果をもとに複数の代替案を用意し、クライアントや東京都と丁寧に合意形成を進めました。
それと同時に、新しい技術に対応するため、社内でノウハウを積極的に共有し、チーム全体で知識を深めていくことも意識して取り組みました。

Hさん

Sさんにはプロジェクト全体の統括を、Nさんには東京都との方針協議をはじめ、事業会社様や設計会社様との合意形成を中心に進めてもらいました。
チーム全体がしっかり連携し、着実にプロジェクトを前に進めることができたと思います。

#03

――本プロジェクトチームで、どのような提案をおこなったのですか?

Sさん

当プロジェクトは、3つの街区にまたがる開発計画でした。進め方によって、業務費用やイズミの作業期間、手続きにかかる時間が膨大になる可能性があり、慎重な計画が求められました。
そこでわたしたちは、目標達成に向けた複数の進行シナリオを作成。それぞれのメリット・デメリット、必要な手続きや協議内容、懸念事項などを整理し、最適なシナリオを勧める形で設計者様、事業会社様に提案を行い、方針決定をリードしました。

設計者様、事業会社様、イズミ3社が方針について共通認識を持てたことで、協議や資料作成などの協力体制もスムーズに構築され、プロジェクトを円滑に進めることができました。

Nさん

このプロジェクトでは、東京都の制度に基づいて高い省エネ性能を示す必要があり、詳細な評価ができる「標準入力法」という計算法を用いることが求められました。 この方法は、設計上の取り組みを反映しやすい(できる項目が多い)というメリットがある一方、計算が煩雑で設計変更や竣工検査において関係者に負担がかかってしまうデメリットがあります。
そのため、わたしたちは少し簡易な計算法である「モデル建物法」を合わせて活用しながらプロジェクトの各段階に対応することで、関係者の負担軽減を実現することにしました。

制度の仕組みを深く理解し、最適な選択をしたことで、関係者の負担を減らしつつ高い目標を達成するという、効果的な提案をすることができました。


※省エネ適合性判定…会社HPリンク(建築物省エネ法に係る適合性判定とは
※BELS認証…会社HPリンク(BELSとは

#04

――お2人の、今後の目標をお聞かせください!

Nさん

イズミは、業界内で確かな信頼を築いてきたからこそ、著名な建築家や設計事務所から直接依頼を受ける機会も多く、都市再開発などの大規模プロジェクトにも数多く携わっています。今後もお客様に寄り添いながら、都市の「顔」となる建築に挑戦し続けたいですね。

Sさん

都市の象徴となる建物に企画段階から関わり、完成を見届けられるのはとても大きなやりがいがあります。イズミで多彩なプロジェクトに携わることで、建築の可能性を追求していきたいです。

#05

――新しいメンバーにメッセージをお願いします!

Hさん

「未来に残る建築」や「社会に影響を与える建築」に挑戦したい方にとって、イズミはとても良い環境だと思います。都市の発展に関わるプロジェクトの最前線で、自分のスキルを磨きながら成長できるチャンスが広がっています。
だからこそ、これから仲間になる皆さんには、自ら学び、考え、積極的に意見を発信してくれることを期待しています。

有名建築家と一緒に仕事をするのも刺激的ですが、それ以上に、企画の初期段階から深く関わり、主体的に提案しながらプロジェクトを形作っていく過程に、建築の本質的な面白さがあります。チームの一員として責任を持って取り組む中で、自分の成長を実感し、この仕事の楽しさを味わってもらえたら嬉しいです。